活動紹介

経緯

 2015年4月1日から機能性表示食品制度が開始された。当初は消費者が正しい情報を得ることで正しく商品を選択することが出来るようになるのではないかと大いに期待された。本制度は2025年4月で10年を経過したが、2023年4月1日時点で届出総数は6606件(そのうち研究レビュー(SR)が6297件、臨床試験(CT)が309件)と膨大な届出件数になっている1。このように届出が増え、届出者の発展や消費者の購入増加にこの制度が大きな役割を果たしたことには間違いがない。しかしながら届出の質評価についての消費者庁の検討や上岡らの調査解析結果からSRとCTともに報告の質、研究の質において不備が多いことが明らかになってきた1,3。そのため消費者庁はSRについて「PRISMA2020の準拠を2025年4月から導入する」ことや、「有効性の信頼性確保に向けた更なる取組を検討すべきである」との通知を発している3

 当法人は、そのメンバーが本制度の開始早々から(株)クリニカル・サポート・コーポレーション(CSC)にて、SRを作成し、実績に記載の機能性表示食品の届出支援をしてきた。この間、リビューワー紹介にあるように、製薬企業で研究開発に従事してきた人材や大学で研究に従事している人材が集まった。2025年4月1日に当法人が設立され、当法人のリビューワーとCSCが協働して質の高いSRの作成に取り組んでいる。

 一方、SRやCTの内容やその解釈は一般消費者には理解し難いことも事実である。そのため当法人は消費者が商品購入の際に適切に意思決定するためにSRやCTの情報を消費者に正しく伝える手助けが出来るよう、コメディカルによる普及啓発事業の推進を計画している。

システマティックレビュー実績(機能性表示食品届出受理分)

機能性関与成分ヘルスクレーム製品数
”ビフィズス菌”系整腸作用21
”食物繊維”系血糖上昇抑制/中性脂肪/整腸作用34
”アミノ酸”系歩行機能/疲労感/血圧11
”ポリフェノール”系骨成分の維持/肝機能改善4
”植物エキス”系認知機能維持3
”ペプチド”系膝の違和感/肌5
”オリゴ糖”系整腸作用1
”カロテノイド”系2
”タンパク質”系目鼻の不快感1
”乳酸菌”系鼻の不快感1
83

※2025年9月現在

レビュワー紹介

NI(薬学博士)
NI(薬学博士)

大鵬薬品にて、βラクタマーゼ阻害剤のタゾバクタム及び配合抗生物質のゾシン(一般名:タゾバクタム/ピペラシリン)を発明し、海外導出、国内開発を主導した。タゾバクタム/ピペラシリンは、経済安全保障上の観点から、安定確保医薬品のカテゴリ-Aに選定されている。また、米国製薬企業のアドバイザーとして、国内メーカーへ導出した製品の承認に寄与した。北海道に移住後は、仕事の分野を医薬品から機能性食品に鞍替えし、機能性表示食品制度発足時から、システマティック・リビューの作成を含む消費者庁への届出支援事業に携わってきている。

YK(獣医師,薬学博士)<br>
YK(獣医師,薬学博士)

大鵬薬品にて、安全性GLP試験に関わり、試験責任者や信頼性保証責任者を務めるとともに、委託試験のモニター、導入・導出品の評価を行った。さらに、毒性分野では日本毒性学会や日本免疫毒性学会で発表を行うとともに、評議員を務めた。また、開発品(抗がん剤)の非臨床プロダクトマネジャーを担当し、徳島大学との包括連携研究協定の事務局を担当した。その他、本社経営企画部に3年間在籍し、中期経営計画の策定、ニチバン株式会社と経皮剤の開発、更に小林がん学術振興会の設立に関わった。獣医師としては、保健所での食品衛生の仕事に携わっている。

KS(獣医学博士)<br>
KS(獣医学博士)

第一製薬創薬第一研究所長として、主に抗菌薬、ワクチンの研究開発を担当しました。この中で、広範囲キノロン系抗菌薬レボフロキサシンの研究開発の成果に対し、平成21年度の大河内記念技術賞を受賞しました。また、千葉大学客員教授、北海道科学技術総合振興センター地域連携コーディネーター、北海道大学人獣共通感染症センター学術研究員等を歴任しました。今後は、北海道内の研究機関と連携した「食の機能性研究プラットホーム」での基礎研究、安全性研究、臨床試験等の支援事業を企画・推進する予定です。

YS(千葉大薬学部卒)
YS(千葉大薬学部卒)

大手製薬メーカーにて、多数の領域(中枢神経系、アレルギー領域、循環器領域、眼科領域)のPMとして新規成分医薬品開発に従事し、製造承認申請及び海外導出を経験した。それら業務の中で、開始時には予測不可能であった事象に対する対応と科学的根拠の構築に多くの体験をした。また、それらの経験に基づきCROにて同様の業務を行った。その後、財団における文献調査業務を経て、小児血液腫瘍に関する仕事に従事し、海外のオピニオンリーダーとの交渉、情報収集を行い、小児悪性腫瘍領域の治療薬開発の難しさに加え、小さな命の美しさと輝きをしみじみと味わった。

AO(理学博士)
AO(理学博士)

製薬企業にて、抗がん剤を含む数多くの薬剤候補化合物の安全性試験を担当・実施してきた。また、企業内の治験委員として、薬剤開発での倫理審査も担当した。さらに、社外活動として製薬協・研究開発委員会の専門委員および臨床研究部会長、厚労省や医薬基盤研の研究評価委員なども務めた。製薬企業を退職後は、地域のバイオ産業育成を目指した国家プロジェクトの事業総括なども務めた。これらの経験を活かし、大学発バイオベンチャーの医薬品開発などに関するアドバイスなども行っている。

MT(薬学博士)
MT(薬学博士)

大手製薬メーカーにて、新規抗菌薬や抗真菌薬の探索および開発研究に従事し、キノロン系およびβラクタム系抗菌薬などの細菌学的評価、作用機作研究および薬剤耐性菌の耐性機序の解析を実施した。さらに、国内外のアカデミアとの連携、FDAやPMDAなど審査機関との折衝等により、国内でのクラビット(一般名レボフロキサシン)およびグレースビット(一般名シタフロキサシン)の上市、海外の製薬企業への導出に貢献した。また、プロジェクトマネージャーとして複数の感染症領域、免疫領域、疼痛領域などのプロジェクトを担当し、承認申請に向けて開発研究のとりまとめを実施した。

この間、多くの学会発表やシンポジストとしての発表を行うとともに、国内誌・国外誌に40報以上が掲載され、10報以上の総説を執筆した。

SM(医学博士)
SM(医学博士)

大学では有機合成化学を専攻し、中堅製薬メーカーの研究所で研究生活をスタートした。入社時には合成研究を希望するも薬効薬理及び体内動態の評価部門への配属となった。探索・開発・臨床開発(治験モニター)研究の実務の経験後、研究管理業務、事業開発業務を経て、信頼性保証部門の責任者についた。この間、新薬の探索研究、開発研究、承認申請業務から研究開発、製造・市販後安全管理・市販後調査・品質保証・流通に関する信頼性保証業務と医薬品のライフサイクル全体をカバーする業務を経験した。この幅広い業務経験を機能性表示食品の届け出業務に生かすべく取り組んでいる。

AH(農学博士)
AH(農学博士)

製薬メーカーにて、抗菌剤、抗がん剤を中心とした医薬品の研究、開発、承認申請、審査当局対応を約30年間続けた経験がある。その間にメディカルライティング業務に特化し、国内のメディカルライティングコース(JMCA)や米国メディカルライターズ協会(AMWA)で研鑽を重ね、AMWAの公認ライター(Advancedコース)の資格を取得した。

その後、2020年頃から業務分野を医薬品から機能性表示食品に変え、数多くのシステマティック・レビュー(SR)の作成に関わってきた。最近ではPRISMA 2020準拠版の作成についても経験を積んでいる。

ST(理学博士)
ST(理学博士)

学位取得後約10年間、原子核理論を研究し、その後は複雑系科学に研究分野を変更し,おもに生命現象や脳神経系現象の研究を機械学習などの数理的手法で行っています。7,8年前からシステマティック・レビューの作成にも携わっています。

HW(理学博士)
HW(理学博士)

時系列解析や機械学習など数理科学を専門とし、複雑な現象の数理的理解やその応用に関心を持って研究を行っている。これまで、データ解析および自動化業務を通じてシステマティック・レビューの作成に携わってきており、特に用量依存性のある現象に対するメタアナリシスなど、依頼者の要望に沿った柔軟な解析にも対応してきた。

現在は札幌市立大学デザイン学部において、AI・数理・データサイエンスの教育・研究に従事しており、デザイン分野でのAI活用を推進するとともに、地域社会への応用を目指している。

  1. 上岡洋晴 機能性表示食品制度の現状と課題―機能性のエビデンス Yakugaku Zasshi 143,931-940 (2023) ↩︎
  2. 上岡洋晴 機能性表示食品制度の現状と課題―機能性のエビデンス Yakugaku Zasshi 143,931-940 (2023) ↩︎
  3. 機能性表示食品制度に関する説明会資料 機能性表示食品制度に関する説明会(3/3)消費者庁ホームページ 2025年3月25日 ↩︎
  4. 機能性表示食品制度に関する説明会資料 機能性表示食品制度に関する説明会(3/3)消費者庁ホームページ 2025年3月25日 ↩︎